税理士がよくやる節税対策に短期前払費用の特例の活用がある。
簡単に言うと、翌年一年分の費用を決算日ぎりぎりで前払い(年払い)して経費に落としてしまおうということである。
本当ならば、いくら今期支払ったからといって翌期サービスの提供を受ける費用を今期の費用にしてしまうのはおかしい話である。会計上も認めてはいない。
ところが法人税法では中小企業の事務処理能力や重要性等を勘案して一定の要件を満たす前払費用については、支出時の損金計上を認めてしまったのである。
根拠規定は、法人税法基本通達2−2−14(短期の前払費用)。以下引用してみると。
「前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2−2−14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払つた日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。」
ポイントとしては
・前払費用であるということ。
前払費用とは継続的な役務提供契約に基づく費用であるため、物品の購入といった役務の提供以外の費用や継続的でない役務適用にかかる費用等は除外される(それらは前払金に該当)
・支払った日から一年以内に提供を受けるものであること。
例えば事業年度が4/1〜3/31で2月28日に翌期の4月1日からの1年(4/1〜3/31)分を支払った場合には最後の役務提供が行われる翌年3月分の役務が支払った日(2/28)から1年を超えて提供されることになるため、この特例の適用を受けることができず全額が翌期の損金となる。
・実際に支払っていること
未払いのものには適用がないが、支払手形の振り出しによる支払は支払ったものとして取り扱うこととされている。
・サービスの質が定量・等質(均等・均質)のもの
これが一番議論の分かれるところであるが、意味するところは短期前払費用に係る役務の提供は支払った金額に対応する期間中、常に量・質ともに一定で、時の経過ともに自然と費用化されるものであることが前提ということである。
つまりは、地代家賃・保険料・リース料等がこれに該当することになる。ものの本にはCM放映料や税理士・弁護士の顧問料等は一定の時期に特定のサービスを受けるための支払であるとし、前払費用に該当しない(前払金)としているものまである。
以上により税理士等の顧問料はかなりのグレージーンと思われる(私見ではまっ黒)。
実際問題、実務ではかなりの数の企業が税理士報酬についてこの特例を受けているのではないだろうか。
税務調査で否認されるのを防ごうと思うと、
「いやいや。うちの事務所毎月同じサービスしかしてませんねん。均等・均質でしょ?」
と言い訳するしかないと思うのだが、それってお客さん的にはとても恥ずかしいことではなかろうか。
(確かに毎月まったく同じ試算表を見ながらまったく話をするなら均等均質といってもよいかも・・。)
処理している税理士さんはどう言い訳するのか聞いてみたいものである。
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